KYRGYZSTAN キルギス


第2回キルギス日本語作文コンクール


  昨年に引き続き、今年もキルギス日本語教師会、島根県松江市にあるヒューマンアンドジオサイエンス ジャパン、在キルギス日本国大使館が共催し、キルギス日本人会、キルギス共和国日本人材開発センターが後援して、第2回キルギス日本語作文コンクールが開かれました。

教師会がヒューマンアンドジオサイエンスのことを知ったのは、現会長のヴォロビヨワ・ガリーナ先生が主宰者の岩田昭夫さんを紹介され、メールを送ったのがきっかけでした。

このコンクールの目的は、キルギス国内における日本語教育の発展と学習者の日本語能力、特に作文の向上を目指すことにあります。また、今までキルギスでは、日本語弁論大会は盛んに行われていましたが、話す能力だけでなく、書く能力も伸ばそうという目的で作文コンクールが始まりました。このことにより、人前で話すことが苦手な学習者も、書くことによって、自分の考えを表現できる機会が持てるようになりました。

今回のテーマは、ヒューマンアンドジオサイエンスが指定した「子供達のために私が出来ること」「私が体験したい日本の文化」「私が誇りに思うキルギスの文化」でした。

今回は、キルギス民族大学、ビシケク人文大学、東洋言語文化大学、キルギス日本人材開発センターの4つの日本語教育機関から、50名が応募し、各機関の予選で残った14人が最終審査へと進みました。

5名の審査員が最終審査に残った14名の作文を読み、審査基準に則って、点数がつけられ、合計点により順位が決まります。審査の公平さを期すため、作文用紙には、所属先や名前等、一切書かないのが規則です。そのため、誰が作文を書いたのかは、審査発表当日になって、はじめてわかる仕組みになっています。

上位6位までの入賞者には、賞品として、和露辞典、日本語文型辞典、国語辞典が贈られます。また、作品が、ヒューマンアンドジオサイエンスのインターネットサイトでも紹介されます。

1220日(土)にあった表彰式には、審査委員長を務められた在キルギス日本国大使館渡辺修介臨時代理大使、審査員のキルギス日本人材開発センターの遠藤隆雄所長やキルギス日本語教師会に所属する日本語教師、最終審査に残った応募者、キルギスで活動している青年海外協力隊員らが出席して行われました。

島根県商工労働部観光振興課から頂いた展示ポスターを会場に貼ったり、クリスマス前ということでツリーを飾ったりしました。

まず、日本語教師会会長のヴォロビヨワ・ガリーナ先生、ヒューマンアンドジオサイエンスの岩田さんの挨拶の紹介がありました。

その後、昨年のコンクールで第3位に入賞したアスィプバエワ・アセリさんの作品をオリジナルとした劇が、愛知県名古屋市にある劇団“ちゃりんこ”によって上演されるということで、劇団を主宰されている相原きりさんからもメールを頂きました。相原さんは、次回の劇団の公演のための脚本に悩んでいる時期に、インターネットで偶然見つけたアセリさんの「子供達のために私ができること」を読まれました。アセリさんが、子供たちのために動物園を作りたい、動物や植物の世界と人間が仲よく暮らすヒントを与え、自然を大切にしたりする心も育てたいという内容にとても感動され、脚本を作成することを決められたそうです。「第1回日本語作文コンクール」がきっかけとなった素敵な縁をメールにしたためてくださいました。

その後、渡辺臨時代理大使から、応募者に参加賞が手渡されました。そして、いよいよ応募者にとっては、待ちに待った入賞者の発表です。このときにはじめて、作文と封筒に入った名前の書いた紙を照らし合わせることによって、誰が入賞したのかがわかります。6位から順番に発表されました。応募者は、自分の名前がいつ発表されるのかとかなりドキドキした様子です。

審査の結果は、下記のようになりました。

1位 「子供達のために私ができること」

サディロワ・ジュルディズさん キルギス・日本人材開発センター3年生

2位 「私が体験したい日本の文化」

シンデエヴァ・マリアさん キルギス民族大学3年生

3位 「子供達のために私ができること」

    ツォイ・イリーナさん キルギス・日本人材開発センター4年生

4位 「私が誇りに思うキルギスの文化」

    クレノワ・エルビラさん キルギス・日本人材開発センター4年生

4位 「子供達のために私ができること」

    ザドゥベンコ・アントンさん ビシケク人文大学4年生

6位 「子供達のために私ができること」

ジョルドシェワ・チョルポンさん ビシケク人文大学 4年生

 

 今回のテーマでは、14名中、8名が「子供達のために私ができること」、3名が「私が体験したい日本の文化」、 3名が「私が誇りに思うキルギスの文化」でした。このことから、キルギスの人が、子供のために自分は何ができるのかということについて、いかに真剣に考えているのかがよくわかります。

 次に、渡辺臨時代理大使が、作文コンテスト全体の感想を述べられた後、「在キルギス日本国大使館特別賞」として、「私が誇りに思うキルギスの文化」を書いたクレノワ・エルビラさんに、「今度は日本文化についてももっと勉強して欲しい」と日本のことについて書かれた英語の本を贈られました。

最後に、遠藤所長が各作文についての講評を述べられ、最終審査に残った応募者の記念撮影をして、表彰式は終わりました。

表彰式終了後、出席者全員でお茶を飲んだり、お菓子を食べたり、日本、キルギス、ロシアの歌を歌ったりして、楽しいひとときを過ごしました。

 

20031223

                           キルギス日本語教師会


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