環 境 γ 線

 

岩田昭夫*・高木信彦**

*技術士事務所ヒューマンアンドジオサイエンス,**鞄さく)

 

小児白血病の年齢別発病分布が,ツーヒット説(Knudson, 1971)に従う確率的分布であることを発見した.日本における5才ぐらいまでの小児白血病は,体細胞性の単純なツーヒットで発生している.原爆被爆者に白血病が多発した事実から,ツーヒットをもたらす要因はγ線であると考えた.一般に放射線(電離放射線)による人体の傷害は,人工放射線(厳重に制御された放射線)被爆に起因すると考えられている.このような考えは,人類誕生後自然放射線は地球上どこでもほぼ同じようなレベルで存在している,との発想に依拠している.ところが,コンクリート構造物から有意なレベルのγ線が放出されており,都市化された地域では環境γ線量が増加している.γ線は透過力が強く,エネルギーが大きいため,人体に深く入って損傷を与える.確率論的に考えると,γ線のリスクは線量当量限度で判断されるものではなく,その放射線数に比例する.