第３位作品

挑戦してみたい日本の伝統的スポーツ

ビシケク人文大学　３年

トクトルバイ・ウウル・ヌルベック

 

　私は子どものときから、東洋のスポーツに興味があります。日本、中国、朝鮮、インドには、とても珍しくて、神秘的で、昔から続いている武術があります。それらのスポーツは、哲学もとても深いです。どの武術についても、自己満足のために使ってだれかに危害を加えてはならない、仕方がないときしか使わないように、と言われています。しかし、必要なときに使えば、そのとき相手は大きなダメージを受けます。

　私はある時、インターネットでスティーブン・セガールについての記事を読んで、合気道について調べてみようと思いました。合気道について調べたら、一人の日本人の合気道名人についての記事を見つけました。その記事をざっと読み始めたものの、一つの文に目が止まり、思わずもう一度読み返しました。そこには「あなたは相手がけがをしないように責任を取らなければならない」と書いてありました。そのときまで私は合気道について何も知らなかったので、それを読んで本当にとても驚きました。ほかの武術についても調べてみましたが、私が調べた範囲では、そのような考え方は見つかりませんでした。それで、合気道についてどうしてそのような考え方があるのか、研究を始めました。

　できるだけ、いろいろな本や雑誌に目を通そうとしました。初めのうち合気道の考え方は分かりにくかったです。しかし、読み進めるにしたがっておもしろくなってきました。そして、テレビでも合気道の映画を深い興味を持って見ました。その映画を見たあと、少なくとも二、三日以上は頭の中が合気道のことでいっぱいになってしまいました。合気道にはどうしてそのような魅力があるのだろう、合気道のサークルに行ったこともないのにどうしてこんなに夢中になってしまったのだろう、と自分に問いかけました。この質問の答えを探しながら調べていたら、合気道には人を惹き付けるところがたくさんあるということがわかりました。

　合気道は武道です。しかし、合気道の本来の目的は正しいことを実行し、自分に克つことにあります。合気道には試合というものがありません。自分を満足させるために相手を倒して勝つのではなく、自分をまるで砥石のように投げつ投げられつすることによって、修業を進めていくのです。合気道の目的は、正しい心身の持ち主を、愛と和合と真心によって一人でも多く育て上げ、この世に送り出すことにあります。

　上に述べたことは、人を惹き付ける部分の一つだけです。このような意味の深いところがもっとたくさんあります。ほかのスポーツも深い哲学を持っていますが、合気道の哲学に特に魅力があるところは、人間のことを大切にすることだと思います。つまり正しい道を示して、どのような問題も、平和的な手段で解決することや、悪や侵略からどうやって脱することができるかを教えてくれます。そして、合気道は健康にも役に立ちます。実際の年齢より若く見えるようになるし、血液循環も良くなるし、ストレスを解消することもできます。

　私は今も、合気道について、何でもできるだけ詳しく調べるようにしています。日本語の勉強を始めたとき、日本の文化についても勉強しないわけにはいかないと思いましたから、日本の一つの伝統的なスポーツ、つまり合気道に挑戦してみようと思いました。でも実際にやる前に、このスポーツの目的や哲学を詳しく研究しようと思いました。その後で合気道のサークルに参加したら、このスポーツを習うのはもっと易しくなると思ったからです。ですから、まだサークルには行っていません。しかし、もうだいたい合気道の目的が分かるようになりました。ですから、近いうちに、行ってみるつもりです。でも自分一人で挑戦するのではなく、みんなにも合気道を習ってほしいです。それは、私が日本語を勉強しているから、ついでに日本の伝統的なスポーツを習ってほしいということではありません。私が合気道をみんなに習ってほしいと思うのは、合気道というスポーツがみんなにとって必ずとても役に立つと確信できるからなのです。