KYRGYZSTAN キルギス


第6位作品


 子供達のために私ができること

ビシケク人文大学 4年生
ジョルドシェワ・チョルポン


 「世界というのはどういうものか」という質問に答えるとすれば、 「言葉にするのは難しい。けれど、とても素晴らしいものだ」と答えます。 「世界は一つ」というより「地球は一つ」といった方がわかりやすいかもしれません。そのたった一つしかない地球が素晴らしくないはずがありません。子供の誕生はその一つだと思います。それは、それぞれの家庭にとってどんなに待ちに待った喜びでしょう。そのためにどんなに楽しい準備がされていることでしょう。

 待ちに待った子供が生まれました。親はその子の面倒を良く見て、大好きな子供を優しく育てます。でも将来、その子がどんな人になるのか、ただの凡人か、優れた天才か、犯罪者になるのかは多くの場合、その子供を育てた家庭や周りの社会の人々などの影響によります。私達、人間にとって個の確立した人間として正道を歩むのはとても大切です。家族や周りの人々が正道から迷ってしまった人に対して、相談相手になることやその人を正道に戻すために教え諭すこともとても大事です。

 ある日、トクマクからビシュケクに帰る途中で、ふとタイムマシーンがあったらいいなと思いました。その機械で未来と過去へ行く事が出来ます。もし本当にこういう機械があったら、私は幼い時に戻りたいと思いました。親が私の事しか考えなかった頃だからです。また、あの時あった事をもう一度体験したり、やり直しをしたりしたかったからです。誰もが子供の時代に戻りたいと思います。その日、バス停でマルシュルートカを待っていた時、ある七、八歳の女の子が近づいて来て「一ソム、ちょうだいー」と哀願しました。その子のようすを見たら胸が痛くなりました。泥だらけで、服はぼろぼろだったからです。

 キルギスだけではなく、全世界で生活のためにこういう子供が仕事をしていて、学校に行く年齢になっても学校に通うことが出来ない子供が十一億一千万人以上いるそうです。十五歳以上で字を知らない人は八億五千五百万人いると言われています。今、キルギスのストリートチルドレンはマンホールの中で生活しています。マンホールの中は夏は涼しくて、冬は暖かいけれど、排水が流れていてとてもきたなくて、子供が住める所ではありません。普通、ストリートチルドレンはものごいをしたり、なまごみを食べたりして生きています。子供は生まれた時から親の愛をもらうはずなのに、どうしてこんなにきたない所で生活しなければならないのでしょうか。どうしてストリートチルドレンが生まれるのでしょうか。

 親が死んでしまったり、離婚したり、親に暴力を受けたり、家から追い出されたりした事や、また家が貧しく、食べるものがない事などがその理由だと思います。子供は勉強するためのチャンスもなく育ち、小さい頃から生きていくために仕事をしています。食べるものも十分にないため、体が弱く、心も十分に育っていないため、教育も身につけられないのです。このような子供達に私達がしてあげられることは、一体何でしょうか。

 私は例えば、働いている子供が勉強を出来るように仕事のない時間に学校を開けたりして、自分の子供ではなくても同じ地球の子供だと思って、大切にする事が必要だと思っています。私の両親は私と弟の事しか愛せないけれど、私は、父や母にもらった愛をストリートチルドレンにも分けて助けてあげたいです。道端でお金を欲しがるストリートチルドレンを無視するのではなく、一言でも私の愛を伝えられる思いやりのある言葉をかけてあげようと思います。このような小さな事から何か大きな事が始められると思います。




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