KYRGYZSTAN キルギス


第2位作品


 私が体験したい日本文化

キルギス民族大学東洋学学部 3年
シンデエワ・マリア


 日本文化について考えると、私が女性でも一番興味深いことは武道だと思います。その中でも武徳と武道の考え方は私にとって大切なことです。なぜなら、私は合気道を習っているからです。

 植芝盛平による伝統的な武術を元に合気道が創始されましたが、私はその武道の精神や考え方をよく理解するために、合気道だけではなくほかの例えば剣術、大東流柔術、槍術などを習った方がいいと思っています。けれどもその古武道は現代において少し変化し、スポーツになっています。そのような武道は競技の勝利を重んじているのと同時に武徳を守っていると考えます。ですから私は柔術、剣道、林道といった古武道の伝統性を継承している武道をしたいのですが、キルギスではそのような伝統性を持っている武道がありません。それで色々な武道を体験するのは私の大きな夢であり、そのために日本武道の原点である日本で武道を体験したいと思っています。

 日常の武道の練習のおかげでより人々は精神的に潔く、平静になることができると私は思います。弓道、居合などの武道においても瞑想に入ることによって人々は自然と自分自身の心の中がよくわかるようになるそうです。合気道をきわめた人々は本当に創造的な精神があります。その人々のいるところでは様々な問題が不思議と治まると言われているそうです。私は五年間しか合気道を習っていません。まだ強い創造的な精神がありません。けれども、私も合気道の精神をできるだけ実際に応用するようにしています。それはけんかをせず、相手の打ちをほかの方へ向けるということです。例えば、夏休みに私はアルバイトをしました。ある日、私は仕事のやり方を変える提案をしましたが、課長はすぐそれに反対しました。それについていらいらしないで課長の話を聞き終わってから、自分の提案の長所を説明しました。はじめは私の意見は取り入れられませんでしたが、後になってから取り入れられました。もし私がいらいらしていたとしたら、結果はどうなっていたでしょうか。たぶん提案は通ってはいなかったでしょう。

 和合の中で生活をするのは私の理想の一つですが、逆に、人々の多くはそれが分からなくて私に「女性にとって何のために人を殺す技術を習うのか」とよく聞いてきます。確かに、昔は日本武道は人を殺傷する技術として使われていました。そのためこのような質問をしている人々の考え方が依然として残ってしまうのだと思います。でも、現代においては「和合」、「愛」、「人間完成」などの道を広げています。そして私の意見では武道の稽古の中で人自身が痛みということがどんなものか分かれば、決してほかの人に同じような痛みを与えないと思います。

 人間完成への道はたくさんありますが、私は武道の道を選んだからにはその道にしたがうようにしようと思っています。そのために武徳と武道の考え方を身に付けることがとても大切だと思います。そして自分の精神を理解してコントロールできたら、相手の精神も理解できるでしょう。また合気道を十年間くらい習っている人たちにとって武道は物の考え方や普段の生活態度そのものになっているような気がします。私の合気道の道は始まったばかりです。将来もっと練習したら私の考え方もそのようになると思います。

 武道は形が違っても、根本的な精神は同じで、合気道も一般的な武道も平和に寄与すると思います。また多くの武道は日本で生まれましたが、全世界にとっても普遍的で役に立つものだと思います。ですから十分に武徳を積むことが私が体験したい日本文化なのです。

 

 

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