KYRGYZSTAN キルギス


優勝作品


 子供達のために私ができること

キルギス日本人材開発センター 3年
サディロワ・ジュルティス


  子供達は私達の将来です。私達大人は子供達の生活をよくするように努力しなければなりません。私は 子ども達のために大切なことが二つあると思います。その一つ目は健康です。私は 産婦人科の医者で、お母さんと子どもの健康を守るために働いています。そして 二つ目は教育です。ここで私が日本に住んでいたときに経験したことを少しお話ししたいと思います。

  日本では他の国に比べて、盗みがすくないと私は感じました。例えば、日本では小さい かぎをかけただけで自転車を外に何時間もおいておくことができます。駐輪場では自転車に かさを残したままにしている人もいますし、自転車のかごに買い物した荷物を残したままのも よく見ました。それでもそのかさや荷物を勝手に持って行ってしまう人はいませんでした。

  ある日水族館に行った時、私はお金の入ったさいふを落としてしまいました。次の日それを 思い出して、水族館に電話してみると、だれか親切な人がさいふをひろって警察に とどけてくれたことを知りました。その次の日私は無事にさいふを受け取ることができました。

  公園のベンチで買ったばかりのぼうしを忘れてしまったこともありますが、次の日その場所へ 行ってみると、ベンチの上にぼうしはありました。だれも触らず、そのまま残っていたことに、私は おどろきました。

  娘が日本の小学校に通っていたとき「他の人のえんぴつを拾ったら、どうしますか」と 言うテーマで作文を書いたことがあります。娘は「えんぴつに書いてある名前を見て、持ち主に 返します」と書きました。娘も日本人のように考えていることを知って、私はとてもうれしかったです。

  息子は幼稚園に通いましたが、最初に先生が「えんぴつ、ノート、下着、歯ブラシ、持ち物 すべてに名前を書いて下さい」と私に言いました。それから幼稚園は息子のためにはんこを 注文しました。生徒達はみんな自分のはんこを持っていました。まだ六さいの息子は自分の はんこを持っているのはとても面白く感じました。日本では幼稚園のときから自分の物と人の 物を区別することを教えます。人のものを勝手に触ることはいけないことだと小さいときから 教えられています。そこにはもう八年日本に住んでいるロシア人の家族もいましたが、かれらも 日本で盗みが少ないことをよく知っていたので、安心して人をしんようすることができると 言いました。

  こうした日本での経験から私は日本のモラルはとても高いと思いました。私はキルギスの 子ども達にもうそをついたり、人の物を盗んだりしない正直な人間になってはほしいと思います。キルギスも アジアの国ですから、目上の人をうやまったり、お客さんを暖かくもてなしたり、私達には日本人と 近い感覚があります。だからきっとキルギスの子供達にもわかるはずです。私はこうしたモラルの 大切さについて子供達に伝えていきたいと考えています。医りょう専門学校で学生に講義を しています。それから学校に健康について教えることもあります。このような機会に私が日本で 経験したことをキルギスの学生や子供達に話していくつもりです。そして人間として大切なことは 何かをよく考えて、将来キルギスの発展に役にたつ人間になってほしいと思います。



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