KYRGYZSTAN キルギス


第3位作品

 

子供達のために私ができること


ビシケク人文大学 4年
アスィプバエワ アセリ

子供の時代は人生で最も大切な期間です。それは人の一番基本的な性格が幼いころに出来上がるからです。優しく気づかってもらって育てられた子供は思いやりのある大人になるでしょう。優しい声をかけてもらい、しっかりと抱きしめられてもらえる落ち着いた雰囲気の中で子供は育てられるべきです。子供に温かい家庭を作るのは両親の責任ですが、両親のいない子供達には家庭のような雰囲気を作ってあげるのが社会の責任です。

 両親を亡くした子供達についてのテレビ番組を見て以来、番組に登場した子供たちのことをずっと思うようになりました。友達と一緒に何か手助けしようと思っておもちゃとお菓子を持って育児院へ行きました。私たちがプレゼントをあげると子供たちはぽかんとして顔を見合わせていました。でも子供達はプレゼントより私達の心づかいに喜んでいました。子供たちにとって人々から無視されないで愛情を注いでもらうことがめったになかったのでしょう。家に帰ってからも何だかわりきれない気持ちでいました。私たちが育児院に行ったことは、果てしない砂漠の中にしずくを一滴たらしたようなものです。一滴だけだったら何の役にも立ちません。でも一滴が何千万滴にもなると乾いた砂漠にも草や花が咲くと私は思います。だから人々は一人一人が力をあわせて精神的、物質的に支えてやらなければいけません。恵まれない子供たちの世界を孤独な世界にしてはいけません。

 子供たちに温かい家庭を提供してやることに加えて私はみんなが子供時代を楽しめる場所を作りたいと思っています。子供にとって、おもちゃはなくてはならないものです。私は子供のときおもちゃ屋さんに行くのはとても好きでした。あれも欲しいこれも欲しいと迷ってなかなか一つを選ぶことができませんでした。親も子供が欲しがるものを全部は買ってあげられません。だから私は「子供の世界」というおもちゃの家をキルギスタンに建てたいと思います。「子供の世界」にはおもちゃが山ほどあって子供なら誰でも好きなときに自由に遊びに来ることができる場所です。

 また子供は誰でもアニメーションが好きですが残念ながら今のキルギスタンではテレビでも子供のためのいい番組が減っています。アニメーションは子供を夢の世界に遊ばせながら教育することができます。アニメーションやそのほか子供に夢と希望を与える素晴らしい番組を増やしてほしいと思います。

 もう一つ「子供の世界」のほかにも楽しいひとときをプレゼントできる場所を作りたいです。キルギスタンには動物園がありません。

 動物園があったら動物を見て楽しむのはもちろんですが、子供の視野も広がります。動物や植物の世界と人間が仲よく暮らすヒントを与えてくれます。自然を大切にしたりする心も育つでしょう。

南極に住むペンギンはとても寒いとき大人のペンギンたちが子供を囲んで輪になってひな鳥を寒さから守るのだそうです。寒さで自分達が凍えて死ぬことがあっても子供の命を救うといいます。

 夢のある子供時代を大切にしたいです。そして世の中がたとえ南極の寒さのように厳しい状態でも子供のそばにはペンギンのような親や温かい家庭がある、そんなキルギスタンが私の夢です。

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